国土交通省、自動車基準・認証制度に関する第5回アジア地域官民共同フォーラムを開催
2014年10月08日
国土交通省は、アジア諸国と連携した自動車の安全・環境基準の国際標準化を推進するため、「第5回 アジア地域 官民共同フォーラム」を開催した。
このフォーラムは、第8回日ASEAN交通大臣会合(2010年11月12日ブルネイ)において承認された「日ASEAN自動車基準・認証制度に関する協力プログラム」の具体的取組の一つ。また、アジア諸国と連携した自動車の安全・環境基準の国際標準化については、本年6月に閣議決定された『「日本再興戦略」改訂2014』において積極的に実施することとされた「インフラシステム輸出戦略」においても迅速かつ着実に推進することとされている。
1.日程:10月1日(水)〜3日(金)
2.場所:ベトナム、ダナン
3.主催:国土交通省、ベトナム社会主義共和国運輸省
4.実施:自動車基準認証国際化研究センター(JASIC)
5.参加国・地域:アジア・大洋州諸国11カ国などの政府代表・自動車業界関係者代表、欧州委員会、計約150名
■フォーラムでの主な結果
(1)WP29における動向の共有について
国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で議論中の国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)(※1)及び1958年協定(※2)改正などについて、議論の進捗状況を共有した。IWVTAについては、日本から、2016年3月の制度創設に向け着実に進捗している旨を報告し、フォーラム参加国間で可能な限り早期にIWVTAを導入することを確認した。1958年協定については、日本からアジア諸国など新興国の協定加盟を促す観点から協定規則の制定・改正に必要となる基準の引き上げの必要性を主張し、フォーラム参加国間でその重要性を確認した。
(2)アジア諸国との今後の協力の方向性について
アジア諸国において深刻化する交通死亡事故に早急に対応する必要性を共有した。その上で、道路交通安全対策について、事故実態の把握・事故分析に基づき政策目標を立てて対策を講じてきた日本の経験を紹介し、今後本フォーラムを活用して、各国政府間で政策目標などを共有し、技術的な議論を深めていくことの重要性を確認した。
※1 IWVTAは、自動車に係る認証の相互承認を、これまでの装置単位から、車両単位へ発展する制度。本制度の実現により、一カ国で車両認証を取得した自動車が、IWVTAに加盟している世界各国で受け入れられるようになる。
※2 1958年協定は、1958年に締結された国連の多国間協定で、自動車の安全・環境などに関する装置・部品毎の基準の統一及び認証の相互承認の実施を目的としている。日本は1998年に加盟し、現在の加盟国は、50カ国、1地域(欧州連合)となっている。