道路運送車両法の概要

道路運送車両法(昭和26年法律第185号)は、自動車の安全性を確保し、その適正な使用を期するため自動車の登録と検査の制度を設けるとともに、自動車の整備及び整備事業等について規定している。この法律の主な目的は、(1)自動車について所有権の公証を行う、(2)自動車の安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備技術の向上をはかり整備事業の健全な発達に資する、(3)自動車の流通社会を発展させ、ひいては公共の福祉に寄与することである。

(1)の自動車の所有権の公証については、自動車を一台毎に検査・登録する制度を採用した結果、道路運送車両法第4 条の行政登録として下記の効果を得られる。

  • ア. 自動車使用の実態の把握ができる
  • イ. 自動車盗難の予防に役立つ
  • ウ. 車両保安確保の手段となる

また、これらの行政上必要とする登録制度を整備し、公示方法を採用することにより、車両法第5 条の民事登録制度を同時に活用して、動産である自動車を不動産的扱いとし、法律上次のような登記的効果を得られる。

  • エ. 所有権の得喪について第三者対抗力を付与できる
  • オ. 自動車抵当法が利用できる
  • カ. 所有権留保契約付譲渡が可能となる

以上が自動車の検査・整備とともに重要な柱となっている。

なお、自動車の登録は全国統一のコンピューターシステムによりオンライン・リアルタイム方式で処理され、自動車に関する情報をOCRシートに記入して入力し、磁気ディスクに記憶させた後、自動車検査証を出力させて完了するものである。

また、検査・登録によって個々の車両情報が把握できる特徴から、自動車損害賠償責任保険契約の締結の確認や自動車税、自動車重量税の徴収に活用されるなどの機能も果たしている。

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